Classiques japonais avec furigana
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おもいで
ロッパの悲食記
古川 緑波
Lisez ロッパの悲食記 (おもいで) de 古川 緑波 (ふるかわろっぱ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 52 651 caractères · 114 écrans
仲見世まで行くと、観音様へ向って右の裏通りに、だるま、宇治の里などという、今で言えば、大衆向きの料理屋があった。これは中学生以前、まだ子供だったころ、父母に連れられて、よく行った。たまご焼だの、きんとんが、雀躍したい程うまかった。
震災後の浅草は昭和八年に、笑の王国という喜劇団を結成して、僕は喜劇役者になり、三年間も、毎日浅草に出ていたのだから、ずいぶん、浅草中の食いものには、馴染んだ。
今半、ちんや、松喜の牛鍋(すきやきとは言わなかった)から、中清、清水、天藤の天ぷら、金田の鳥、と書いていて区役所横丁の雑居屋のシチュウは、うまかったなあ。(俺はどうして、食いもののことになると記憶がいいんだろう?)
話をもとに戻して、昭和八、九年だ。新仲見世の、みやこという小料理屋、そこが、うまくて安くて、こたえられなかった。鍋ものがよかった。あんかけ豆腐が、十銭だった。僕は、三年間を三日にあけず、みやこへ通ったものだった。戦後は、浅草で再開せず、銀座へ出たが、もはや高級店である。
浅草独得(ではないが、そんな気がする)の牛めし、またの名をカメチャブという。屋台でも売っていたが、泉屋のが一番高級で、うまかった。