Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

いちにんならじ

一人ならじ

山本 周五郎

Lisez 一人ならじ (いちにんならじ) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 10 312 caractères · 21 écrans

Aozora Bunko

そしてその下に栃木大助を指名したが、これは東堂舎人助もおなじ意見だった。「さぞよろこぶであろう、……」そう云ってすぐに大助を呼んだ。

仔細を聞かされた大助はかくべつ感動したようすもなく、いつもよりいっそうつよく唇をひき結んだだけで、黙々と与えられた位置についた。そして間もなくこの奇襲の攻撃は決行された。

数日まえに雪が降って、戦場はなかばぬかるみだった。高折又七郎の指揮する、栃木大助以下五十人の先鋒隊と、それを包む三百の馬場勢は、鬨をつくって敵陣のまっ唯中へ斬り込んだ。……散開していた敵は小勢とみて左右から押し挾み、退路を断って攻めたてたが、馬場勢は巧みに応戦の兵を残しつつ、前へ前へと先鋒の道をひらいた。大助は高折又七郎にひき添って中核の先頭にいた。彼は噛みつくような眼で、じっと壕の架橋を睨みながら前進した。挾撃してくる敵兵も、それと斬りむすぶ味方の兵もない、ただ架橋だけを睨みながらぐんぐんと前進していた、……ところが壕まで二段ばかりの処へ来たとき、敵は馬場隊の目的がなんであるかに気付いたのであろう、城門のあたりへ敵兵がとびだしてきたと思うと、手に手に斧や鉞をとって橋を破壊しはじめた。