Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

いっぽんのはな

一本の花

宮本 百合子

Lisez 一本の花 (いっぽんのはな) de 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 26 709 caractères · 55 écrans

Aozora Bunko

私なんか、同じサディストでも、徳性が高いからいいけれど、この素介なんぞ――」

「――君に解ってたまるもんか。――第一そのアッペル何とかいうの、ドイツの男だろう? ドイツ人の頭がいいか悪いかは疑問だな。フランス人の警句一つを、ドイツ人は三百頁の本にする。そいだけ書かないじゃ、当人にも呑込めないんじゃないかな」

「頭のよしあしじゃない、向きの違いさ」

アッペルバッハの説は、マゾヒスト、サディストの両極の外に男性的、女性的、道徳性、智能性その他感情性などの分類法を作り、性能調査の根底にもするという学説であった。朝子は、

「政治家になんか、本当にサディストの質でなけりゃなれないかもしれない」

と云った。

七

夕方近く、幸子が教えたことのある末松という娘が、も一人友達と訪ねて来た。何か職業を見出してくれと云うのであった。

「経済上、仕事がなけりゃ困るんですか」

「いいえ、そうではありませんけれど……」

「家に只いても仕方がないというわけですね――で? どんな仕事がいいんです?……何に自信があるんです?」

末松は、並んでかけた椅子の上で、友達と互に顔を見合わせるようにし、間が悪そうに、