Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ひとあしおさきに

一足お先に

夢野 久作

Lisez 一足お先に (ひとあしおさきに) de 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 40 200 caractères · 79 écrans

Aozora Bunko

にしておかなければ何もなりませんが……ドチラにしても死んだ人には気の毒ですが、今更取返しが付かないのですから、後はこの病院の中から縄付きなどを出さないようにしなければなりません。すぐに病院の信用に響いて来ますからね……いいですか。……忘れてはいけませんよ。今夜の事はこの後ドンナ事があっても、二度と思い出してはいけない……他人に話してはならない。勿論お妹さんにも打ち明けてはいけません……という事を……」

そう云ううちに副院長は、ジリジリと後しざりをした。そうして扉のノッブに凭りかかったらしく、ガチャリと金属の触れ合う音がした。

その音を聞くと同時に、ベッドの上にヒレ伏したままの私の心の底から、形容の出来ない不可思議な、新しい戦慄が湧き起って、みるみる全身に満ちあふれ初めた。それにつれて私は奥歯をギリギリと噛み締めて、爪が喰い入る程シッカリと両手を握り締めさせられたのであった。

しかし、それは最前のような恐怖の戦慄ではなかった。

……俺は無罪だ……どこまでも晴天白日の人間だ……

という力強い確信が、骨の髄までも充実すると同時に起った、一種の武者振るいに似た戦慄であった。