Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ななかいのじゅうにん

七階の住人

宮本 百合子

Lisez 七階の住人 (ななかいのじゅうにん) de 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 7 128 caractères · 15 écrans

Aozora Bunko

それに、食堂掛の老嬢の好意か、客卓子は、いつも定って部屋の一番入口近い端にあった。幾十という、すばしこい、笑いたい盛の若い娘の視線が蜘蛛の網のように一点に注がれる。いやでも、伏目がちにしゃちこばり、聖餐にでもあずかるように坐っている若者を見ずにはいられない。さし向いで、これも、言葉尠く、背中へ神経を吸いとられている女の方にとっても、楽しい食事とは云い難いに違いない。雀斑(そばかす)のある、本当に拵えたての棕櫚箒のような頭をした若者が、ひどく自分自身をもてあまし、重大な問題でも審議するように物を云っているのが、伸子には少し気の毒に思えた。

伸子は、豊子と食堂を出た。彼女達は、昇降機の前で立ち止った。

「――どうせすぐまた降りなけりゃあならないから、もう下へ行っていたいわ」

「それでもいいわね」

七時四十分から、下の客間で集りがあることになっていたのだ。

集りは三十分ほどで済んだ。あけ放した観音開きの扉から、浮かない顔付の娘達がぞろぞろ出て来る。先へ出た伸子は、豊子を待った。豊子は、今年卒業する学生の一人と話しながら来た。

「さようなら、じゃあまた明日。大丈夫ですよあのテストは、相手によって難しいんですもの」