Classiques japonais avec furigana
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さんにんのそうまだいさく
三人の相馬大作
直木 三十五
Lisez 三人の相馬大作 (さんにんのそうまだいさく) de 直木 三十五 (なおきさんじゅうご) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 32 603 caractères · 66 écrans
三十六
一人が、女狩右源太の家の前に立って
「物申う」
といった。右源太は、褒美の金を、女の前へひろげて
「何んしろ、大作って奴は、平の将門みたいに、七人も影武者があって――」
「物申う」
お歌が
「あい」
と、返事して
「誰方かがお越しに」
「金は仕舞っておくがいい」
「ええ」
右源太が、立って行って
「誰方」
と、聞いた。
「女狩殿、御在宿で御座ろうか、ちと、御意を得たく」
「拙者が、右源太で御座るが」
入口を入った武士が、右源太を見て
「始めて御意を得申す。拙者は、御代田仁平」
といって、表へ
「弟」
と、振向いた。齢の若いのが入ってきた。険しい眼をして、右源太を見た。兄が
「御来客の模様なら、往来にて」
「いやいや、どうか、お上り下されい。拙者一人に、女一人」
右源太は
(何うだ。こんな別嬪をもっている士は、ちょっとあるまい)
と、思いながら、先に立って
「こちらへ」
と、いった。二人は、刀をもって、右源太の前へ坐って
「御内儀で御座るか」
「いいえ、妾は、ちょっと、お遊びに――」
「ま、家内同然の」
「いやな――」
と、お歌は女狩を睨んだ。
「時に、右源太殿、相馬大作をお召捕りなされたげで――」