Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

さんにんのほうもんしゃ

三人の訪問者

島崎 藤村

Lisez 三人の訪問者 (さんにんのほうもんしゃ) de 島崎 藤村 (しまざきとうそん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 3 196 caractères · 7 écrans

Aozora Bunko

「冬」は私に言った。

「お前は是までそんなに私を見損なって居たのか。今年はお前の小さな娘のところへ土産まで持って来た。あの児の紅い頬辺もこの私のこころざしだ。」と。

「貧」が訪ねて来た。

子供の時分からの馴染のような顔付をした斯の訪問者が、復た忸々しく私の側へ来た。正直に言うと、この足繁く訪ねて来る客の顔を見る度に、私は「冬」以上の醜さを感じて居た。「お前とは旧い馴染だ」とでも言いたげなこの客に対したばかりでも、私の頭は下ってしまった。とても私には長くこの客を眺めては居られなかった。その私が自分の側へ来たものの顔をよく見て居るうちに、今迄思いもよらなかったような優しい微笑をすら見つけた。私は以前に「冬」に言ったと同じ調子で、この客に尋ねて見ずには居られなかった。

「お前が『貧』か。」

「そういうお前は私を誰だと思う。そんなに長くお前は私を知らずに居たのか。」

と「貧」が答えた。

「めずらしいことだ。今迄私はお前の笑顔というものを見たこともない。お前にそんな笑顔があろうとは、思って見たことすら無い。私はお前が笑わないものだとばかり思って居た。稀にお前に笑われると、私は身が縮むように厭な気がしたものだ。