Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ふこう

不幸

梶井 基次郎

Lisez 不幸 (ふこう) de Kajii Motojirō (梶井 基次郎) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 4 060 caractères · 8 écrans

Aozora Bunko

その老人はどうしても一家と一緒に東京へ来るのを肯じなかった。それは見ず知らずの国で寂しい老後を送るよりは、知己の多い大阪で土になりたいという寂しい願いのためであった。そして強い信仰も手伝ったのだが遠い親類筋である、別懇な寺院へ住みこんでしまった。大阪駅の歩廊でその老い込んだ病身の父親に別れた時は何という寂しいことだったろう。

主人は出発というのに姿を消して、決めた時間にはやって来なかった。見送りの人々もみな苦々しい顔をしていたなかにその寂しい老人と彼女は重いため息をついていた。やって来た主人は酒に酔っていた。そして中傷をした同僚という丸く肥えた男も一緒だった。その男も酔っていた。外にまだ芸妓を連れていた。その時老人は無意味な雑鬧の中で、孫にあたる、尋常三年の清造と七つになる勉に絵本を買って与っていた。彼女も老人も顔を合そうとはしなかった。老人が放蕩な主人やこの不幸な結婚生活を苦にしているのを彼女は知っていた。

しかし彼女はあきらめていた。彼女が初児の洋子を挙げ、次に長男の敏雄を生んでから数えて見れば十幾年にもなっていた。しかしその間彼女は忍従の生活をあくまで続けて来た。