Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ふしょうのあに
不肖の兄
豊島 与志雄
Lisez 不肖の兄 (ふしょうのあに) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 18 889 caractères · 39 écrans
僕は不意に可笑しくなった。
「そりゃあ冷いでしょうな。お臍の上に味噌をのっけては。」
「ですからね、」とおっかさんは真顔だった、「熱くなるまで辛棒すれば、じきになおるんですがね。」
「だって、お臍の上に味噌じゃあ……。」
照次がくくと笑い出したのが初りで、照代も僕も一緒に笑い出した。おっかさんだけは真顔を崩さなかった。その光景を、いつのまにかうっとり眼を開いて、美代子がぼんやり眺めていた。
照代はもう箪笥から、着物だの帯だのをやたらに取出していた。
「一寸……届けといたの。」とおっかさんが尋ねた。
「ええ。」
「あたし、留守してるわ。」と美代子が云った。
「ええ。おみやげを持ってきてあげるわ。」
そして、僕は照代とそこを出た。
タクシーの中で、照代はこんなことを云った。
「昨夜夜通しお酒の相手をして、それで冷えたのよ。寝てりゃじきになおるわ。あの通り元気ですもの。先刻だって髪をあげるって起き上ったくらいだから。そして、これで寝ついたら、ねえさん、あたしまた借金がふえるわって、そう云うのよ。可哀そうね。」
「うむ。」
僕は気乗りのしない返事をした。ちらちらと見える街路の灯が美しかった。