Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ふしょうのあに
不肖の兄
豊島 与志雄
Lisez 不肖の兄 (ふしょうのあに) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 18 889 caractères · 39 écrans
おや、と思って眼を挙げると、鳩が二三羽松の梢に戯れていた。
冷やかではあるがしみじみとした朝日の光だった。丘の裾から遠く霞んでる沖合まで、海は湖水のように凪いで鈍く光っていた。処々に繋ぎとめられてる小舟が、如何にも静かだった。
その景色を胸深く吸いこんで、僕は東京に帰って来た。
お前は驚いたようだったね、僕が余り早く旅から帰って来たので、そして帰るとすぐに、母に金をねだり初めたので……。
母は僕の顔ばかり見ていた。
「旅費が足りなかったんです。」と僕は云った。「だけど、お母さんのところに無けりゃいいですよ。僕が稼ぐから……。なあに働きさいすりゃあ……。それより、お腹が空いちゃった。御飯を食べさして下さい。」
そして、飯を食いながら、母が用で立っていった間に、僕は云った。
「稲毛に連れてってやろうか。」
「だって、」とお前はちっとも乗ってこなかった、「兄さんは行って来たばかりじゃないの。」
「それがね、実は、照代って女と一緒に行くつもりだったんだ。が、どうも……。だからその代りに、お前を連れてってやろう。」
「いやよ、そんな……。」
「だけどお前は、どうせそのうちには、ちっちゃな家庭のちっちゃな花嫁として、浜地と一緒に行くようなことになるんだろう。