Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

せかいかいきじつわ「じょぶん」

世界怪奇実話

牧 逸馬

Lisez 世界怪奇実話 (せかいかいきじつわ「じょぶん」) de 牧 逸馬 (まきいつま) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 251 305 caractères · 498 écrans

Aozora Bunko

これが所謂虫の知らせというのか、グロウヴスは急に矢も楯も耐らなくなって、船橋を下りると直ぐ其の足で無電室へ駈け込んで行った。タイタニック号二千の人々の危急が自然に伝わって、彼をしてそうさせずには置かなかったのだろう。グロウヴスは自分でも不思議な位い興奮して、矢庭に、ぐっすり眠っているエヴァンスを叩き起した。

この時は既う、タイタニック号のフィリップスの打つSOSが火のように伝わって来て、寝ているエヴァンスの傍の無電機械は間断なくその救助信号を感受して灼けつかん許りに熱している最中である。

「おい、局長!」寝呆け眼のエヴァンスの顔の上へ、何故ともなく周章てたグロウヴスの声が落ちた。「右舷の方に妙な船が居るぜ。今迄この氷山の中を滅茶苦茶に急いで来ていたようだが先刻から急に停船しているよ。何だか燈火の様子が只事じゃないらしいんだ。君、寝る前に、あの船と無電の交換はなかったのか」

「五月蝿いなあ」エヴァンスは不平らしく、一そう深ぶかと掛布団を引っ張って壁の方を向き乍ら、「喧嘩したよ。生意気な船なんだ」

「何国の船だ」グロウヴスは急き込んだ。「何という船だ」

「知らないよ。