Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

せかいかいきじつわ「じょぶん」

世界怪奇実話

牧 逸馬

Lisez 世界怪奇実話 (せかいかいきじつわ「じょぶん」) de 牧 逸馬 (まきいつま) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 251 305 caractères · 498 écrans

Aozora Bunko

附近の公設市場をぶらぶらして、仲買人の手を経ずに、肉類を協定価額以下にこっそり仕入れて来て売るのが、このハアルマンの商賃で、ツエラルストラッセの店には、一通り牛豚鳥類の肉が置いてあるのは勿論、冷蔵庫、売台、計量器、肉切台、各種の庖丁等、備品も立派に整い、裏街の小店ながら、普通の肉屋の体裁を備えていた。ハアルマンは三十三歳。独身だった。店員も置かず、身の周りから店の事まで、万事独りで遣っていた。勿論、人を置く必要のない程小さな商売だったが、それよりも、他に人を置けない理由があったのだった。

このツエラルストラッセ二十七番の肉屋の店に立って、「血だらけな前掛」をして襯衣の腕まくりをしたフリッツ・ハアルマンは、毎日赭ら顔をにこにこさせて、肉を切ったり腸詰を作ったりしている。肉屋の「血だらけな前掛」は、人の注意を惹く可く余りに普通事である。傍らの錻力缶に、大小の白い骨が一杯詰っているのも、肉屋であってみれば異とするに足らない。近処のお神さん連が肉を買いに来る。町内の人が前を通る。時には立寄って、煙草の烟りと雑談を残して行く。平和且つ平凡なる裏町風景の一つである。