Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

こじきがくせい

乞食学生

太宰 治

Lisez 乞食学生 (こじきがくせい) de Dazai Osamu (太宰 治) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 33 682 caractères · 68 écrans

Aozora Bunko

「寝呆けていやがる。僕は、そんな名前じゃないよ。」

「そうかね。じゃ、何だって、この川をはだかで泳いだりしたんだね?」

「この川が、気に入ったからさ。それくらいの気まぐれは、ゆるしてくれたっていいじゃないか。」

「へんな事を聞くようだが、君の友人に熊本君という人がいないかね? ちょっと、こう気取った人で。」

「熊本?――無いね。やはり、工科かね?」

「そうじゃないんだ。みんな夢かな? 僕は、その熊本君にも逢いたいんだがね。」

「何を言ってやがる。寝呆けているんだよ。しっかりし給え。僕は、帰るぜ。」

「ああ、しっけい。君、君、」と又、呼びとめて、「勉強し給えよ。」

「大きにお世話だ。」

颯爽と立ち去った。私は独り残され、侘しさ堪え難い思いである。その実を犇と護らなん、と呶鳴るようにして歌った自分の声が、まだ耳の底に残っているような気がする。白日夢。私は立上って、茶店のほうに歩いた。袂をさぐってみると、五十銭紙幣は、やはりちゃんと残って在る。佐伯君にも、熊本君にも欠点があります。僕にも、欠点があります。助け合って行きたいと思います、という私の祝杯の辞も思い出された。