Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
こじきがくせい
乞食学生
Lisez 乞食学生 (こじきがくせい) de Dazai Osamu (太宰 治) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 33 682 caractères · 68 écrans
眉は薄く、眼は丸く大きい。口は小さく、顎も短い。色が白いから、それでも可成りの美少年に見える。身長骨骼も尋常である。頭は丸刈りにして、鬚も無いが、でも狭い額には深い皺が三本も、くっきり刻まれて在り、鼻翼の両側にも、皺が重くたるんで、黒い陰影を作っている。どうかすると、猿のように見える。もう少年でないのかも知れない。私の足もとに、どっかり腰をおろして、私の顔を下から覗き、「坐らないかね、君も。そんなに、ふくれていると、君の顔は、さむらいみたいに見えるね。むかしの人の顔だ。足利時代と、桃山時代と、どっちがさきか、知ってるか?」
「知らないよ。」私は、形がつかぬので、腕をうしろに組み、その辺を歩きまわり、ぶっきらぼうな答えかたをしていた。
「じゃ、徳川十代将軍は、誰だか知ってるかい?」
「知らん!」ほんとうに知らないのである。
「なんにも知らないんだなあ。君は、学校の先生じゃないのかい?」
「そんなもんじゃない。僕は、」と言いかけて、少し躊躇したが、ええ、悪びれず言ってしまえと勇をふるって、「小説を書いているんだ。小説家、というもんだ。」言ってしまってから、ひどく尾籠なことを言ったような気がした。