Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ふたつのにわ

二つの庭

宮本 百合子

Lisez 二つの庭 (ふたつのにわ) de 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 195 492 caractères · 389 écrans

Aozora Bunko

あんまりいやな気持がした。

「そういう比較はするもんじゃないわよ。誰が知っているの? そんなこと!」

漠然と語られている女人の方に魅力があって、細君の方は平凡なひとだと勝手にきめてかかる、そのいやしさは伸子の胸をしぼった。越智の若い妻についてもいつか多計代はなんといっただろう。自分と、どう比較しただろう。相川夫人についていまいっている、そっくりそのままをいった。その後、越智とのいきさつがああいう風に結末しても、多計代がそこから学んだのはただ越智を軽蔑するという一つのことだけしかなかったのだろうか。

「……ほんとに、誰なんだろう――」

いやな顔をしてかたく黙っている伸子の横前で、紺ちぢみの品のいい蛇の目しぼりの浴衣の袂をうごかして、多計代はきった爪をとりあつめた紙を丸めて屑籠にすてた。

「相川良之介でさえ、やっぱりかげではこんな女のひととのかかりあいがあったんだものねえ――どうして男って、みんなこうなんだろう」

多計代は、

「つくづく厭になって来る!」

嫌悪をこめていった。

「男なんてものは、誰だって信用出来ゃしない。かげではなにをしているのかしれたもんじゃありゃしない。