Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ふたつのにわ

二つの庭

宮本 百合子

Lisez 二つの庭 (ふたつのにわ) de 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 195 492 caractères · 389 écrans

Aozora Bunko

力を入れて、くりかえした。

「あれが、わからないなんてことはないはずだ」

そして、いくらかむっとしたように、

「それは君がわざとわかろうとしないんだ」

といった。

「どうして?」

伸子は縁側にしゃがんでいて、思いもかけない表情になった。

「どうして、わたしがわざとわかろうとしないなんて、あなたに、わかっていらっしゃるの?」

「…………」

「いま、はじめてお会いしたばかりだのに――」

「いや、いや、そういう意味でいったわけじゃない」

伸子は、本当にそれがどういう人なのか知りたそうにまた、

「――あなたは、どなたなんでしょう」

とつぶやいた。しかし浴衣のひとは黙ったまま、手にもっている雑草の穂を指の間でクルリ、クルリとまわしていたが、やがて、吸いきったタバコでもすてるようにそれを足下にすてて、

「――どうも突然、失敬しました。いつか北條一雄の本はよんで見られるといいと思うな」

そういって、伸子があいさつをする間もなく、柘榴の枝かげに身をかわして、門の外へ出て行ってしまった。その白い浴衣の後姿に黒い兵児帯が伸子の目にのこった。

二十三

不意に柘榴の樹かげからあらわれて、伸子が一人で金魚鉢を見ていた縁側によって来た男は、何者だったのだろう。