Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ふたつのにわ

二つの庭

宮本 百合子

Lisez 二つの庭 (ふたつのにわ) de 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 195 492 caractères · 389 écrans

Aozora Bunko

その通りをもっと広い大通りへ出た角に交番と赤いポストがあり、佐々の家は、じきそのはす向いの奥だった。伸子がもうすこしで大通りへ出きろうとしたとき、まだ見えていない佐々の家の門のところで、きき覚えのある自動車のクラクソンが鳴った。それをききつけて、伸子はちょっとうれしそうに眼をうごかした。よかった、丁度父も帰って来たところだ。そう思って、もう車が入ってしまった門の道を行った。

つきあたりの玄関のところに、三四人の人の姿が見え、混雑している。伸子は、遠目にそれを見て、はっとする気がした。ごたついた玄関の様子で、父が加減でもわるくして帰ったかと思った。いそぎ足で車まわしのところへ来たとき、踏石から玄関の間へあがってゆく白い足袋が見え、鶯色の単衣羽織の裾がちらりと目を掠めた。その車で帰って来たのは、多計代であった。伸子はとっさに、一人で来てよかった、と思った。

玄関のところに、車から出した手提袋やトランクがのこっていて、踏石に父の靴もぬぎすてられてある。伸子は、膝かけをたたんでいる江田に、

「一緒におかえりになったの?」

ときいた。

「はい。旦那様も上野駅へまわってお迎えしてかえりました」