Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
しつらくえんさつじんじけん
二十世紀鉄仮面
小栗 虫太郎
Lisez 二十世紀鉄仮面 (しつらくえんさつじんじけん) de 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 38 489 caractères · 77 écrans
所で厨川君は、最初に久八の犬の鎖を解いて池畔で放し、その鳴声に依って久八を誘き出してから、今度もまた向う岸で、線香花火を使ったのだよ。前以って血粉を混ぜたのを一本作って置いて、それに点火したのだが、血粉が溶けるので松葉火が出ず、一塊の火団となって池の中へ落ちたのだ。つまり、それが喫い終った莨を捨てたと見た、あの目撃談の正体なんだよ。しかしその時、厨川君は見当を付けて昼間のうち一本水浸しにして置いた、タパヨス木精蓮の中へ落したのだよ。そうすると、血の臭気で蛭が集まって来る。そこへ、堰を開いて水面を低下したので、朝になって、残っていた蛭が花弁に包まれてしまったのだ。玄白堂内の足跡を消す以外に、厨川君には斯う云う陰険策があったのさ。多分僕を目標に計画した事なんだろうが、事実僕も、喬村君の影をどうしても払い切れなかったのだ」と云ってから、朔郎に向き直って、「然し、君は何故に喬村君を陥れようとしたのだね。それに胎龍を殺害した動機と云うのは? 幾ら僕でも、君の心中の秘密だけは判らんからね」
朔郎は、囚われた犯罪者とは到底思われぬような、澄み切った瞳を向け、冷静な言葉で云った。