Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

にばんめのむすめ

二番めの娘

小川 未明

Lisez 二番めの娘 (にばんめのむすめ) de 小川 未明 (おがわみめい) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 7 488 caractères · 16 écrans

Aozora Bunko

ちょうど、家の前には、赤々とした、ほうせんかが、いまを盛りに咲き乱れていました。この花を二番めの娘はことに愛していました。それで、朝となく、夕べとなく、水をやったりしたので、

「ああ、この赤い花にも、私は別れてゆかなければならない。せめて、この花の種子を持ってまいりましょう……。」といって、娘は、ほうせんかの種子を、紙に包んで、それを懐の中にいれたのでした。

それは、夏も終わりに近づいた、ある日でありました。娘は、薬売りの小父さんにつれられて、みんなと別れて、門出をしたのであります。母親は涙をもって見送りました。姉や、弟は、村のはずれまで送ってゆきました。そして、娘は、うしろ髪を引かれるように振りかえり、振りかえりいってしまったのであります。

これは、ほんとうに、我が家にも、姉や、弟にも、また恋しい母親にも、長い、長い別れでありました。

薬売りの小父さんは、その宵、港から出る汽船に乗って、娘をつれて、遠い、遠い、西の海を指して走っていったのであります。

北国の空は、いつものごとく、ほんのりと山の端が紅く色づいて、沖の方は明るく、暮れかかりました。

ほうせんかが、家の前に咲いているのを見るにつけて、母親は、二番めの娘の身の上を案じました。