Classiques japonais avec furigana
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「にせんどうか」をよむ
「二銭銅貨」を読む
小酒井 不木
Lisez 「二銭銅貨」を読む (「にせんどうか」をよむ) de 小酒井 不木 (こざかいふぼく) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 2 147 caractères · 5 écrans
ところが「二銭銅貨」を読むに至って自分は驚いた。「二銭銅貨」の内容にまんまと一杯喰わされて多大の愉快を感じたと同じ程度に日本にも外国の知名の作家の塁を摩すべき探偵小説家のあることに、自分は限りない喜びを感じたのである。「一班を以て全豹を知る」ということは総ての場合に通用すべき言ではないが、こうして見ると日本にも隠れたる立派な作家があることがわかった。否、まだ外にもあるに違いないということが推定された。それ故、「新青年」の編輯者が、かかる隠れたる作家を明るみへ出そうと企てられたことに自分は満腔の賛意を表するのである。
芸術の鑑賞と批評――などと鹿爪らしく言うのも烏滸がましいが、優れたる探偵小説なるものは誰が読んでも面白いものでなくてはならない。そして探偵小説は描写の技巧の優れたるよりも筋の優れたものを上乗とすべきであろうと自分は思う。それ故覚束ない外国語で読んでも、比較的完全にその趣向を味うことが出来るのである。劇とか詩とかは、言葉そのものから、しっくり味ってかからねばならぬのであるが探偵小説には、たとい、今後馬場氏が適切に説破せられたように、人情や風景の描写が多く入って来ても、興味の焦点となるものはやはりその筋書でなくてはならないと思う。