Classiques japonais avec furigana
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ごかいのまど
五階の窓
森下 雨村
Lisez 五階の窓 (ごかいのまど) de 森下 雨村 (もりしたうそん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 12 990 caractères · 26 écrans
彼はさっき西村の遺族を訪ねたとき、紋付羽織の桝本の姿をちらと見たことを思い出して、自分の幸運を喜んだ。彼は面を冠ってお悔やみかたがた手伝いにでも来ているに違いない。これからすぐ元園町へ引っ返して引っ張ってくるとしよう。そして、自分を老耄のように思っている署長や司法主任の鼻を明かしてやろう。
彼はもう犯人を捕らえたような気持ちで足も宙に日比谷の交差点まで来ると、おりから通りかかったタクシーを呼び止めて、元園町へと急がせた。
桝本は沖田刑事の顔を見ても格別驚いたふうもなかった。同行を求められても嫌な顔も見せず、一度家の中へ入って帽子を手にして出てくると、紋付袴の服装でそのまま自動車に乗り込んだ。
事件が事件であり、相手が相手だけに、沖田刑事は署に着くまではなるたけ口を噤んで問題に触れないようにした。桝本のほうでも平気な顔はしながら、心中では何か考え込んでいるらしくほとんど口を開かなかった。
自動車が××署の前に止まると、沖田刑事は蟇口の底をはたいて車賃を払いながら、二階の一室へ桝本を連れ込んでおいて、とりあえず署長室へ報告に行った。
むろん、署長は非常な満悦であった。