Classiques japonais avec furigana
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がんりゅうじま
仇討二十一話
直木 三十五
Lisez 仇討二十一話 (がんりゅうじま) de 直木 三十五 (なおきさんじゅうご) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 16 854 caractères · 35 écrans
久之進も勿論同道、一旦深川の上屋敷へ戻ったが、後片附の為、同十月藩金四百五十両を携(たずさ)えて大阪へ上る事になった。
東海道で、悪馬子の出るのは箱根、盗賊の出るのは薩陀峠(さつたとうげ)ときめてある。この御きまりの薩陀峠へ、小野田久之進不覚にも一人で差しかかった。大抵旅人は五六人、七八人も一緒になって由井を出て薩陀へかかるのであるが、大事な役目を控えながら、ただ一人、白昼にしても夕方にしても山中深い所へきたから、
「旅人まて」
と人相の悪いのが三四人出てきた。人相の悪い盗賊なんてものは大抵下っ端である。頭分(かしらぶん)になると皆人相がいい。何んとかという殺人鬼など、尤(もっと)も深切な銀行員、小間物屋の如くであったと云うし、今でも大きい泥棒は大抵堂々と上流に住んでいる。
「何を小癪な」
と、ちゃんちゃんとやったが、久之進殺されてしまった。勿論藩の金もとられるし、大小も奪われた。前段の如く、この大小から手がかりになっているが、昔の盗人にしても可成り間抜けた奴である。一本しかない刀でもあるまいし奪った刀を、日本中で尤も役人の目の光っている吉原へ差料(さしりょう)にして行くなど、盗人心得を知らない事も甚(はなは)だしい。