Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
かたきうちきょうだいがさ
仇討姉妹笠
国枝 史郎
Lisez 仇討姉妹笠 (かたきうちきょうだいがさ) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 80 178 caractères · 159 écrans
死んだと見えて動かなかった。
(ではやっぱり頼母の意志に従い、淀屋の独楽を渡した上、彼の配下になる以外には、他に手段はないではないか)
逆流する血の気を顳の辺りへ感じた。しかし努力して冷静になった。
(そうだ独楽を渡した上、あなた様の配下になりますると、偽りの誓言を先ず立てて、ともかくも命を助かろう。その余のことはそれからで出来る)
何よりも命を保たなければと、主税はそれを思うのであった。
(それにしてもお八重が盗人とは! お館の宝物の数々を盗んだ、その盗人がお八重だとは!)
これを思うと彼は発狂しそうであった。
(恋人が盗人とは! それも尋常の盗人ではない、お館を破滅に導こうとする、獅子身中の虫のような盗人なのだ!)
見るに忍びないというような眼付をして、主税は隣室の方へ眼をやった。
そこにお八重が突っ伏していた。
こっちの部屋から流れこんで行く燈光で、その部屋は茫と明るかったが、その底に濃紫の斑點かのように、お八重は突っ伏して泣いていた。
泣き声は聞こえてはこなかったが、畳の上へ両袖を重ね、その袖の上へ額を押しつけ、片頬を主税の方へわずかに見せ、その白いふっくりした艶かしい片頬を、かすかではあるが規則正しく、上下に揺すって動かしているので、しゃくりあげていることが窺われた。