Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
いまどしんじゅう
今戸心中
広津 柳浪
Lisez 今戸心中 (いまどしんじゅう) de 広津 柳浪 (ひろつりゅうろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 36 688 caractères · 74 écrans
と、善吉は話すうちにたえず涙を拭いて、打ち出した心には何の見得もないらしかッた。
吉里は平田と善吉のことが、別々に考えられたり、混和ッて考えられたりする。もう平田に会えないと考えると心細さはひとしおである。平田がよんどころない事情とは言いながら、何とか自分をしてくれる気があッたら、何とかしてくれることが出来たりそうなものとも考える傍から、善吉の今の境界が、いかにも哀れに気の毒に考えられる。それも自分ゆえであると、善吉の真情が恐ろしいほど身に染む傍から、平田が恋しくて恋しくてたまらなくなッて来る。善吉も今日ッきり来ないものであると聞いては、これほど実情のある人を、何であんなに冷遇くしたろう、実に悪いことをしたと、大罪を犯したような気がする。善吉の女房の可哀そうなのが身につまされて、平田に捨てられた自分のはかなさもまたひとしおになッて来る。それで、たまらなく平田が恋しくなッて、善吉が気の毒になッて、心細くなッて、自分がはかなまれて沈んで行くように頭がしんとなって、耳には善吉の言葉が一々よく聞え、善吉の泣いているのもよく見え、たまらなく悲しくなッて来て、ついに泣き出さずにはいられなかッた。