Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
いせのまき
伊勢之巻
泉 鏡花
Lisez 伊勢之巻 (いせのまき) de 泉 鏡花 (いずみきょうか) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 17 617 caractères · 35 écrans
四
渡りますと、それから三千年の杉の森、神代から昼も薄暗い中を、ちらちらと流れまする五十鈴川を真中に、神路山が裹みまして、いつも静に、神風がここから吹きます、ここに白木造の尊いお宮がござりまする。」
四
「内宮でいらっしゃいます。」
婆々は掌を挙げて白髪の額に頂き、
「何事のおわしますかは知らねども、忝さに涙こぼるる、自然に頭が下りまする。お帰りには二見ヶ浦、これは申上げるまでもござりませぬ、五十鈴川の末、向うの岸、こっちの岸、枝の垂れた根上り松に纜いまして、そこへ参る船もござります。船頭たちがなぜ素袍を着て、立烏帽子を被っていないと思うような、尊い川もござりまする、女の曳きます俥もござります、ちょうど明日は旧の元日。初日の出、」
いいかけて急に膝を。
「おお、そういえば旦那様、お宿はどうなさります思召。
成程、おっしゃりました名の通、あなた相の山までいらっしゃいましたが、この前方へおいでなさりましても、佳い宿はござりません。後方の古市でござりませんと、旦那様方がお泊りになりまする旅籠はござりませんが、何にいたしました処で、もし、ここのことでござりまする、必ず必ずお急き立て申しますではないのでござりまするけれども、お早く遊ばしませぬと、お泊が難しゅうござりますので。