Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
さど
佐渡
Lisez 佐渡 (さど) de Dazai Osamu (太宰 治) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 11 270 caractères · 23 écrans
私は、佐渡の上陸第一歩に於いても、その土の踏み心地を、こっそりためしてみたのであるが、何という事も無かった。内地のそれと、同じである。これは新潟の続きである、と私は素早く断案を下した。雨が降っている。私は傘もマントも持っていない。五尺六寸五分の地質学者は、当惑した。もうそろそろ佐渡への情熱も消えていた。このまま帰ってもいいと思った。どうしようかと迷っていた。私は、港の暗い広場を、鞄をかかえてうろうろしていたのである。
「だんな。」宿の客引きである。
「よし、行こう。」
「どこへですか?」老いた番頭のほうで、へどもどした。私の語調が強すぎたのかも知れない。
「そこへ行くのさ。」私は番頭の持っている提燈を指さした。福田旅館と書かれてある。
「はは。」老いた番頭は笑った。
自動車を呼んで貰って、私は番頭と一緒に乗り込んだ。暗い町である。房州あたりの漁師まちの感じである。
「お客が多いのかね。」
「いいえ、もう駄目です。九月すぎると、さっぱりいけません。」
「君は、東京のひとかね。」
「へへ。」白髪の四角な顔した番頭は、薄笑いした。
「福田旅館は、ここでは、いいほうなんだろう?」