Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
かじつ
佳日
Lisez 佳日 (かじつ) de Dazai Osamu (太宰 治) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 14 912 caractères · 30 écrans
大隅君は、結婚式の日まで一週間、私の家に滞在する事になっているのだ。私は、大隅君に叱られても黙って笑っていた。大隅君は五年振りで東京へ来て、謂わば興奮をしているのだろう。このたびの結婚の事に就いては少しも言わず、ひたすら世界の大勢に就き演説のような口調で、さまざま私を教え諭すのであった。ああ、けれども人は、その知識の十分の一以上を開陳するものではない。東京に住む俗な友人は、北京の人の諤々たる時事解説を神妙らしく拝聴しながら、少しく閉口していたのも事実であった。私は新聞に発表せられている事をそのとおりに信じ、それ以上の事は知ろうとも思わない極めて平凡な国民なのである。けれども、また大隅君にとっては、この五年振りで逢った東京の友人が、相変らず迂愚な、のほほん顔をしているのを見て、いたたままらぬ技癢でも感ずるのであろうか、さかんに私たちの生活態度をののしるのだ。
「疲れたろう。寝ないか。」私は大隅君の土産話のちょっと、とぎれた時にそう言った。
「ああ、寝よう。夕刊を枕頭に置いてくれ。」
翌る朝、私は九時頃に起きた。たいてい私は八時前に起床するのだが、大隅君のお相手をして少し朝寝坊したのだ。