Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ぞくしゅう

俗臭

織田 作之助

Lisez 俗臭 (ぞくしゅう) de 織田 作之助 (おださくのすけ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 34 630 caractères · 70 écrans

Aozora Bunko

だから、その時の千恵造の泪を邪推する気づかいはない。泪を流している人間が慾得のことを考えている、などとはこの男の想像もつかぬことだ。普通、人は屡々慾得のことで泪を流すものだなどとは――。

衣食足らなければ、しかし、千恵造といえども、礼節を知る訳はない。が、そのことは、むしろ次の彼の言にあらわれたと見る可きだ。「賀来子は何の欠点もないのに一生棒に振るのや。如何いする?」暗に手切れ金のことをほのめかしたのだ。それ位は権右衛門も出してもよいだろう。千円の金が用意されていると、船司は答えた。

賀来子はかねてこのことあるを予期していた。千満子の縁談の相手が伯爵家だときくと、彼女も心安らかに身が引けると思った。最近、男の子を貰い子して二人暮しが三人になり、賑やかになる筈だったと泣いたことは泣いた。何れは船司は困らぬ訳には行かぬ。承知の上だが話が纏っても船司は良い気はしなかった。

船司は、ハナシツイタ、ソウキンタノムと大阪の児子家へ電報打った。実は、万一のことを慮って、船司には手切金を持参させていなかったのだ。金が電送され、千恵造に渡そうとすると、受とらなかった。