Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ふしゅう

俘囚

海野 十三

Lisez 俘囚 (ふしゅう) de 海野 十三 (うんのじゅうざ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 14 938 caractères · 31 écrans

Aozora Bunko

意外ではあるが、事実だから仕方がない。

失望のあまり、今度はボーッとした。この上は、化物屋敷と広い土地とを手離すより外に途がない。松永が来たらば、適当のときに、それを相談しようと思った。彼はもう間もなく訪れて来るに違いない。あたしはまた鏡に向って、髪かたちを整えた。

だが、調子の悪いときには、悪いことが無制限に続くものである。というのは、松永はいつまで待っても訪ねてこなかった。もう三十分、もう一時間と待っているうちに、とうとう何時の間にやら、十二時の時計が鳴りひびいた。そして日附が一つ新しくなった。

(やっぱり、そうだ!――松永はあたしのところから、永遠に遁げてしまったのだ!)

彼のために、思い切ってやった仕事が、あの子供っぽい青年の胸に、恐怖を植えつけたのに違いない。人殺しの押かけ女房の許から逃げだしたのだ。もう会えないかも知れない、あの可愛い男に……。

悶えに満ちた夜は、やがて明け放たれた。憎らしいほどの上天気だった。だが、内に閉じ籠っているあたしの気持は、腹立たしくなるばかりだった。幾回となく発作が起って、あたしは獣のように叫びながら、灰色に汚れた壁に、われとわが身体をうちつけた。