Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

いだいなるゆめ

偉大なる夢

江戸川 乱歩

Lisez 偉大なる夢 (いだいなるゆめ) de 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 117 988 caractères · 234 écrans

Aozora Bunko

山下憲兵伍長が椅子から立ち上って、明瞭に答えた。

その時新一は既に設計室の扉を開き、室内に入っていた。すぐ後ろから父老博士が続く。

「お父さん、あれをごらんなさい。僕の想像した通りです」指さすところに、巨大な暖炉が口を開いていた。大理石の堂々たる暖炉棚、その上部の壁にはめ込みになった大鏡、明治時代に建てられたこの洋館には、古風な本格の暖炉が設けてあったのだ。だが、別に蒸気暖房が設備されて以来、この石炭暖炉は、単なる装飾の役目を勤めているに過ぎなかった。

何者の仕業か、暖炉の前に立ててあった衝立はわきにのけられ、焚口が露出していたが、その中に、板をうちつけた枠のようなものが、半ば壊れて垂れ下っているのが見えた。風よけのために、暖炉と煙突の境に取りつけてあった隔壁が、無残に踏みぬかれていたのである。

「やっぱり、あいつはこの広間へ入ったのです。昔の西洋の泥棒のように、煙突から忍び込んで、又そこから逃げ出して行ったのです」

新一のうしろから、老博士も暖炉の中を覗きこみ、新一の判断の間違いないことを確めたが、思いもよらぬ出来事に、ただあっけにとられて、暫くは茫然と立ちつくすばかりであった。