Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ちゅうとう

偸盗

芥川 竜之介

Lisez 偸盗 (ちゅうとう) de Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 48 934 caractères · 97 écrans

Aozora Bunko

が、それらは皆、この垂死の老婆にとって、相手の侍と同じような、行路の人に過ぎないのであろう。――猪熊のばばは、次第に細ってゆく声で、何度となく、夫の名を呼んだ。そうして、そのたびに、答えられないさびしさを、負うている傷の痛みよりも、より鋭く味わわされた。しかも、刻々衰えて行く視力には、次第に周囲の光景が、ぼんやりとかすんで来る。ただ、自分の上にひろがっている大きな夜の空と、その中にかかっている小さな白い月と、それよりほかのものは、何一つはっきりとわからない。

「おじいさん。」

老婆は、血の交じった唾を、口の中にためながら、ささやくようにこう言うと、それなり恍惚とした、失神の底に、――おそらくは、さめる時のない眠りの底に、昏々として沈んで行った。

その時である。太郎は、そこを栗毛の裸馬にまたがって、血にまみれた太刀を、口にくわえながら、両の手に手綱をとって、あらしのように通りすぎた。馬は言うまでもなく、沙金が目をつけた、陸奥出の三才駒であろう。すでに、盗人たちがちりぢりに、死人を残して引き揚げた小路は、月に照らされて、さながら霜を置いたようにうす白い。