Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ぼくはこれからだ

僕はこれからだ

小川 未明

Lisez 僕はこれからだ (ぼくはこれからだ) de 小川 未明 (おがわみめい) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 8 555 caractères · 17 écrans

Aozora Bunko

村からすこし離れた、山のふもとに達吉の家はありました。彼は学校の帰りに、さびしい路をひとりで、ひらひら飛ぶ白いこちょうを追いかけたり、また、田のあぜで鳴くかえるに小石を投げつけたりして、道草をとっていたこともあります。そして、裏の松林にせみの鳴いている、我が家が近づくと急になつかしくなって、駈け出したものでした。

父親というのは、体つきのがっちりした、無口の働き者でした。今日じゅうに、これだけ耕してしまおうと心で決めると、たとえ日が暮れかかっても、休まずに仕事に精を入れるという性質でしたから、村の人たちからも信用されていました。ところが事変の波は、こうした静かな田舎へも押し寄せてきました。彼には召集令が下ったのであります。カーキ色の服に戦闘帽を被って、赤いたすきをかけた父親は肩幅の広い姿勢を毅然として、日の丸の旗を持ったみんなから送られて、平常は、あまり人の通らないさびしい路を、町の方へといったのでありました。それは、ついこのあいだのことと思ったのが、はや二年ばかりになりました。そして、その父親が、中支の戦線で、激戦の際、戦死を遂げたという知らせがとどいたので、さすがに、家のものはじめ、村の人々は、まったく夢のような気がしたのであります。