Classiques japonais avec furigana
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あにのこえ
兄の声
小川 未明
Lisez 兄の声 (あにのこえ) de 小川 未明 (おがわみめい) en japonais avec furigana. JLPT N3. Touchez un mot pour le sens.
N3 · intermédiaire · kanji et kana modernes · 4 426 caractères · 9 écrans
日々そこでいとなまれる生活こそ、どんなにか、楽しかろうじゃないか。そこには、暴力や、権力をもつ人間もなく、すべてが理解と同情とで、協力しあうのだからね。」といいました。
そうきくと、たとえ、経験のとぼしいぼくでも、そして、また深いことはわからぬけれど、そうした社会が平和で、真に住みよいところであるということだけは、さとれるのでした。
兄がいなくなってから、家の中は、急にさびしくなりました。そして、はやいく日か、たったころ、母はひとりごとのように、
「ゆうべ、あの子が特攻隊へはいった夢をみたが。」といって、ふさいでおられました。
だから、ぼくは、
「にいさんにかぎって、特攻隊などへ、入りませんよ。」と、うち消して、無理にも母を元気づけようとしました。しかし、母は、いつまでも気にかかるとみえて、それから後も、家の中は、なんとなく、うすぐらいような日がつづきました。
ところが、まったく突然でした。それが、おどろきでもあり、喜びでもあったのは、兄が帰ってきたことです。
ある日、だれか玄関へきたようなけはいがしたので、姉が出てみると、立っていたのが兵隊すがたの兄だったので、姉は、びっくりして、