Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
あにのこえ
兄の声
小川 未明
Lisez 兄の声 (あにのこえ) de 小川 未明 (おがわみめい) en japonais avec furigana. JLPT N3. Touchez un mot pour le sens.
N3 · intermédiaire · kanji et kana modernes · 4 426 caractères · 9 écrans
「まあ、義ちゃんなの? お母さん、義ちゃんが帰ってきましたよ……。」と、さけんだ。その声をきいて、母も、ぼくも、ころげるようにとびだしました。兄は、泣いているのです。
「さあ、早くお上がり、どうしたの。」といって、母も泣きました。
「にいさん、なにか変わったことがあったの?」
ぼくは、いままで兄の泣いたのを見たことがなかったのと、もし出征すれば、おそらくふたたび見られないだろうと思っていたので、ついこうききました。姉も、
「義ちゃん、どうかしたの?」といって、兄の顔をのぞくようにしました。
兄は、あとから、あとから、目にあふれ出る涙を、手の甲でふきながら、頭を左右にふって、
「みんなの顔が見られて、うれしいのだ。」と、わずかに答えたのです。
「こっちへ、あがってから、ゆっくりお話しなさい。」と、母は、手を引かんばかりにして、兄がくつのひもをとくのも、もどかしげに見守っていました。
「にいさん、もういかなくてもいいの。」
「いまなん時だね。晩方までに、こちらを出て、隊へかえらなければならない。」
兄は、あいさつが終わると、これまで、自分が勉強をしたり、レコードをかけたりした、へやへいきました。