Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ひかりのないあさ
光のない朝
宮本 百合子
Lisez 光のない朝 (ひかりのないあさ) de 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 5 418 caractères · 11 écrans
これを聞いた時、おもんは我知らず指の先までひやひやになった。
どんな狂犬でも、歯の届かない処にある者に害を加えることはしなかろう。
津田と継母とが会った揚句、どんな吉事を望めよう。もう、自分のものと定ったと想った運命は、矢張り未定な、蜃気楼(しんきろう)であったのか。おもんは、冷やかな氷で心臓の辺りを撫でられるような絶望と、戦慄とを覚えた。然し、いつか二人が会わなければならないのは、事実である。万一、それが運命を変えるとすれば――。
今日、津田が来るそうだからといって、父親がわざわざ使をよこしても、おもんは一歩も家から出ようとはしなかった。
「私がおりましては却ってわるいのです」
おもんは、蒼ざめた顔をし、絶えず恐れ、緊張してその日を過ごした。気の弱い彼女には、自分の一生の運命が定められると思う場所へ、到底顔を出す勇気がなかった。どう考えても、凶(わる)い方ばかり想像される上は猶更である。いざとなった時、おまきがどんな恐ろしい女であるかおもんは誰よりもよく知っている。
不幸の迫る足音は、誰より早く、不幸に馴れた者の耳に入る。
おもんの悲しい予感は当った。