Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ひかりあういのち

光り合ういのち

倉田 百三

Lisez 光り合ういのち (ひかりあういのち) de 倉田 百三 (くらたひゃくぞう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 130 439 caractères · 263 écrans

Aozora Bunko

「どうしてね」

「何や知らんけれど」

「おかしいな。しょっちゅう遇っているくせに。ボートに乗りに行かない。月がいいから」

「ええ。連れてって」

と彼女は少し元気づいた。二人はそれから浜へ出て、貸ボート屋から、ボートで海へ出た。

彼女は舵をとった。

月の港は美しかった。はろばろと涼風が吹いて来た。潮の向きに迷って、大分久しく漕いでから私はオールを流した。晴れた空には千光寺山が黒く影立ち、三重の塔もそれと知れた。

私は遇い難い鶴子の事を思っていた。

「金波銀波がきれいじゃがのう」

と少しはなれて行き違った天満船の、波のうねりを見てすみ子が言った。

私は苦笑した。こうした事ではすみ子は平凡な事きり言えないのだ。でも私は気にもしなかった。

「向島へあがって見やんせん?」

「あがって見ようか」

私はボートを岸につけた。岸には人影もなく、月見草が咲いて、荒れていた。材木の上に二人は腰かけた。虫が啼いていた。海藻の香がして不安であった。

「いつまで尾道へ居てん?」

「秋からは三次へ帰らねばならんでしょう」

「へたらもう逢えやせんの?」

「近いから幾らでも来られますよ」

「帰しともなや」