Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ひかりあういのち

光り合ういのち

倉田 百三

Lisez 光り合ういのち (ひかりあういのち) de 倉田 百三 (くらたひゃくぞう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 130 439 caractères · 263 écrans

Aozora Bunko

「それはたしかにそうだ。家の鈴子などは気もちが違うらしいものね。巫女になるのを恥ずかしがらないものね。彼奴なんかどうせ嫁入りするんだからいいが、長兄は悩んでるらしいよ。……おっと食いついたぞ」

と彼はちた鯛を釣りあげた。

「僕は獲得する生活が好きだね」

と彼はピンピン跳ね返る鯛を始末しながら言った。

私の鈎には下手な故かあまり食いつかなかった。彼の獲物といつも比較にならなかった。才能が違うのだ。

私は鈴子のことを思っていた。そうして古びて、取り残されて行く悲劇の家の中で、彼女はどういう運命になって行くであろうか。なる程そう言えば行く度びに目に付くのは塀や、廊下などの荒れであった。庭の立派な大名松も手入れが届かず枯枝がまじり、畳も神殿のと違ってすすけた儘であった。お母さんの着物も粗末であった。鈴子も流行の着物は着ていなかった。ただ彼女の天然の麗質と、すらりとした美しい姿態のために身について見えるのであった。

仁田の家の中で目に付くものは古び、廃れて行く物質の中に活き残る品と礼と文雅との光であった。そのため私には一層鈴子の姿が美しく、浮き上って見えるのであった。