Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
やつがたけのまじん
八ヶ嶽の魔神
国枝 史郎
Lisez 八ヶ嶽の魔神 (やつがたけのまじん) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 160 664 caractères · 323 écrans
――妾が都会へ行って見たいと云ったら、あの人にわかに妙な顔をして『何故行きたい』って訊くものだから、『妾もうこんな山の上の部落なんかには飽き飽きした』って、ついうっかり云ってしまうと、あの人恐ろしい顔をして、『山吹、お前は、山の中に住むこの俺の顔にも飽きたろうな。弁解したって通らねえよ。聞けば高島の城下(今の上諏訪町)から、多四郎とかいう生っ白い男が、お前を張りに来るそうだが、これ、気を付けねえといけねえぞ。かりにも窩人部落の女で、下界の人間と契ったが最後天狗の宮の岩の上から深い谷底へ投げ下ろされ必ず生命を失うのだからな』と声の調子まで恐ろしく変えて、こうあの人が云ったかと思うと自分の頭の毛を掻きり、『ああ俺はお前に騙された。俺は意気地のねえ人間だ。俺はお前に見捨てられた! もう俺はこれっきりお前とは逢わねえ! その多四郎とかいう下界の奴と手に手を取って部落を出るがいい。そうして下界の真人間となってうんと出世をするがいいや! だがな、山吹、よく覚えていろよ。お前が下界で出世している時俺はやっぱり窩人部落の八ヶ嶽の中腹の笹の平で、お前の事を恋い焦れながら猪熊猿を相手にして憐れに暮らしているってことをな!』