Classiques japonais avec furigana
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はっけんでんだんよ
八犬伝談余
内田 魯庵
Lisez 八犬伝談余 (はっけんでんだんよ) de 内田 魯庵 (うちだろあん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 21 945 caractères · 43 écrans
もっとも江戸城なぞは有っても無くても『八犬伝』の本筋には少しも関係しないが、考証好きの馬琴が代る代るに犬士をこの地方に遍歴らさして置いて江戸城を見落さしたのを不思議に思う。
前にもいったが、『八犬伝』の中心舞台は安房よりも江戸であって、事件が多くは江戸あるいは江戸人に親しみのある近国で発展したのが少なくも中央都人士の興味を湧かさした原因の一つである。殊に一番人気のある信乃を主役として五犬士の活躍するは、大塚を本舞台として巣鴨・池袋・滝の川・王子・本郷に跨がる半円帯で、我々郊外生活者の遊歩区域が即ち『八犬伝』の名所旧蹟である。一体大塚城というのはドコにあったろう? そんな問題を出すのがそもそも野暮のドン詰りであるが、もともと城主の大石というのが定正の裨将であるから、城と称するが実は陣屋であろう。いわゆる「飯盛も陣屋ぐらいは傾ける」程度の飯盛相当の城であろう。ところで、城にしろ陣屋にしろどの辺であるか見当が附かぬが、信乃が幼時を過ごした大塚は、信乃の家の飼犬が噛み殺した伯母の亀篠の秘蔵猫に因んで橋名を附けられたと作者が考証する簸川の猫股橋というのが近所であるから、それから推して氷川田圃に近い、今の地理的考証から推して氷川田圃に近き今の高等師範の近辺であろう。