Classiques japonais avec furigana
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こうえんのはなとどくが
公園の花と毒蛾
小川 未明
Lisez 公園の花と毒蛾 (こうえんのはなとどくが) de 小川 未明 (おがわみめい) en japonais avec furigana. JLPT N3. Touchez un mot pour le sens.
N3 · intermédiaire · kanji et kana modernes · 18 574 caractères · 38 écrans
風が、さやかに吹きわたると、木々の露がぽたぽたと地上に落ちました。いつしか快い気持ちになって、花は眠りますと、ふいに、夜中に、ひやりとなにか身に感じたので、驚いて目をさましたのであります。
花は、おそくなって、みつばちが帰ってきて、ぬれた体を触れたのだと思いましたが、さしてくる電燈の光で見ると、それは、みつばちでなくて、羽の黄色な、小さいとがった形をした蛾でありました。蛾の黄色なすきとおるような羽は、気味の悪いほど、冷たく、硫黄の色のように見えたのです。花は、高原にいる時分に、たくさんの蛾をば見ました。しかし、この蛾と同じ感じのするような蛾をば見なかった。この蛾は、人間の目を見るように、くるくるとした二つの目を持っていました。
花は、蛾に対して、なにもいう気にはなれなかったが、しかし、知らぬ顔をしていることもできなくて、
「黄色な蛾さん、いまごろ、あなたは、どこから飛んできたのですか。私は、まだあなたのような姿の蛾を見たことがありません。山からですか? 野原からですか? どこから、あなたは飛んできたのですか。」と、たずねました。
蛾は、ちょうど体の色にふさわしい、冷たい、すきとおる声で答えました。