Classiques japonais avec furigana
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めいどこうしんきょく
冥土行進曲
夢野 久作
Lisez 冥土行進曲 (めいどこうしんきょく) de 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 24 807 caractères · 50 écrans
こころみに両手で引明けてみると三尺ばかり下には階段があって、青い電燈が点っているのが見える。
私は一杯食わされたのだ。雲月斎玉兎女史一流の手品で逃げられてしまったのだ。が、腹を立てても追附く話でない。私は血に染んだ短刀を掴んだまま、ぼうっとしかけたが、落着いて見ると、表の方で時ならぬ声がする。
立って寝台の向うの窓から覗いて見たが、騒がしい筈だ。狭い路地口には真黒い警官がつめかけていて、この家の周囲は蟻の這い出る隙もないくらい厳重にとりかこまれているようである。例の用心棒連はその押し合いへし合いしている中に数珠つなぎになってうなだれている。そのほかに、地下室で騒いでいた紳士、半裸体の女優、活動写真技師、女給なぞが、次から次に引っぱり出されて来る。十坪ばかりの空地が芋を洗うように雑沓して来る。
そのうちに背後の扉が開いた音がしたので、ハッとして振向くと、顎紐をかけた警官が二三人ドヤドヤと這入って来た。皆殺気立った形相をしていたが、振返った私の血だらけの右手を見ると、イキナリ二三梃のピストルを突きつけた。
「動くな。貴様だろう。犯人は……」
私は静かに寝台の上に突立った。