Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ふゆがれ

冬枯れ

徳永 直

Lisez 冬枯れ (ふゆがれ) de 徳永 直 (とくながすなお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 23 850 caractères · 48 écrans

Aozora Bunko

「ああたが奉公しトンなはったげな……」

「ああ、あの米屋の娘……」

愛子と云えば、鷲尾が子供の時分小僧奉公していて、よくおぶって歩いては小便ひっかけられた赤ン坊だった。色白の福々しく肥っていた幼な顔だけが記憶に残っていた……。

「それがこんど…………やられましたたい」

「ええあの子が※(感嘆符疑問符、1-8-78)」

何と云っていいか、急に身体があつくなった気がして、ヘェ! ヘェ! と幾度も繰りかえした。M君は後になり先になりしながら、彼女は女学校を出るとK電気会社の事務員をしていたことや、もう転向して娑婆に出ているなどと話した。

「逢ってみたいな」

「とても家のもンが厳重で、ダメでッしゅ」

「そうかな……」

ついウッカリと、古い記憶に溺れながら坂道を降っていった。あの小便ひっかけられた赤ン坊が自分の小説を読んだ。そしていまは自分よりもたかい道を歩いている――それはまるで夢のような気がした。

「一寸?」

フッと気がつくと、先刻からうしろを振り返り振返りしていたM君が、いそいで片ッポの木蔭に身体を寄せた。

「なに、………?」

「ええ、どうもそうらしいが」

成程二十間ばかり離れたうしろの、松の樹立の間にちらちらしている茶色の帽子と、襟をたてた黒いオーバーが、顔は見えないが、のぼるときにもたしか背後から歩いていたようだった。