Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

わかれのじ

別れの辞

豊島 与志雄

Lisez 別れの辞 (わかれのじ) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 18 330 caractères · 37 écrans

Aozora Bunko

何かあるんだ。近頃、小説を書いてるというじゃありませんか。」

この最後の一句を、宮崎は声をひそめて、さも重大事らしくゆっくり云った。そして口を噤んだ。私はばかばかしくなった。島村が小説を書こうと書くまいと、そんなことこそ、どうでもいいことだった。それに第一、島村は時々文芸批評なんか書くことはあっても、あの哲学的な理知的な頭で、どうして小説なんか書けるものではない。彼が小説を書いてるとか、そしてそれにさも重大な意味があるらしく考えたりするのは、小説家たる宮崎の空想にすぎない、と私は思った。だが宮崎は、そのことを私によく考えて貰いたいとでもいうように、そして自分でも考えながら、暫く口を噤んでいたが、またふいに云い出した。

「たしかに、島村さんには、何かあるにちがいない。それだから、僕のことだって誤解してるんだ。僕がいつ、不潔なことをしたか、さあそれを証明して貰いたいものだ。僕が清子を愛してるかどうか、それを証明して貰いたいものだ。行こう……。事実が証明してくれる。さあ、笹本に行こう……。」

そんなわけで、私と宮崎とは遅くなってから「笹本」に行った。行ってみると、長尾と大西とが奥の室で飲んでいた。