Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ぜんきてんまやけ

前記天満焼

国枝 史郎

Lisez 前記天満焼 (ぜんきてんまやけ) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 48 568 caractères · 98 écrans

Aozora Bunko

金持のやり方もよくないよ」

呟いたがフッと笑い出した。

「いやその金持の加賀屋の主人だが、もう帰ってはいないかしら。どうにも渡すものを渡さなければ苦になって心が落ちつかない」

扇女のために危難を救われ、扇女の部屋でしばらく憩い、もうよかろうという時になって、芝居小屋から旅籠へ戻り、今まで休んでいたのであったが、預った物が心にかかる。そこで加賀屋をもう一度訪ねて、主人が帰っているようなら、早速渡そうと出て来たのであった。

本多中務大輔の屋敷の前を通り、書替御役所の前を過ぎ、北の方へ歩いて行く。

鮫島大学の一味に追われ、日中早足に歩いたところを、逆に歩いて行くのである。

急に鉄之進は足を止めた。

眼の前に加賀屋が立っている。しかし表戸は厳重に下ろされ、静まり返って人声もしない。

しばらく見ていたが苦笑いをした。

「そうでなくてさえこんな大家は、点火前には戸を立てるものだ。ましてやこんな物騒な晩には、閉じ込めてしまうのが当然だ。――と云うことも知ってはいたが、やはりうかうか出て来たところを見ると、利口な俺とは云われないな」

ここでちょっと考えたが、

「戸を叩くのは止めにしよう。