Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

けんのよんくんし

剣の四君子

吉川 英治

Lisez 剣の四君子 (けんのよんくんし) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 10 514 caractères · 22 écrans

Aozora Bunko

「甚助どのの母御が、最上川の水に浸って、気を失うてござらっしゃる」

河往来の船子たちが知らせて来た。それはちょうど、朝の粥を炊いて、守人が、神殿の前に仆れている甚助の姿に気づき、驚いて、手当をしていた時だった。

幸いに、二人とも、蘇生した。元より母の楡葉のほうが恢復は早かった。楡葉は気がつくと、寝食も忘れて、子の枕元に坐ったきりだった。

甚助も日ならずして恢復した。

床を払って起きた日に、彼は、身の垢をそそぎ、衣服を更えて、

「母上、一緒に行って下さい」

と、云った。

「どこへ」

「神前へ、お礼詣りにです」

楡葉は頷いた。そして心密かに、わが子が百日の参籠とあの精進の結果、何ものか神霊の示顕を得て、志す剣の工夫のうえに、一つの光明を掴み得たにちがいないと思った。

「守人様、神灯しをお願いいたします」

社家へ声をかけると、守人も来て、神前に菅莚を展べ、母子の坐った端へ、自分も共に坐って、拍手をうち鳴らした。

「…………」

祈念をこめて、神へ心から額ずき終って後、楡葉は甚助へ問うた。

「何ぞ、神さまの、御霊現をうけたかや」

「いいえ、べつに」

「百日のあいだに、何もなかったかの」