Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

きただけとあさひだけ

北岳と朝日岳

木暮 理太郎

Lisez 北岳と朝日岳 (きただけとあさひだけ) de 木暮 理太郎 (こぐれりたろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 8 121 caractères · 16 écrans

Aozora Bunko

大正六年七月二十四日から二十七日に至る四日間は、短い旅ではあるけれども、楽しい思い出の深い印象となって残っている。

小川の谷は想像していたよりも荒れすさんでいた。いつも谷に入る毎に「吸い込まれる」という気持で一杯であるのに、この谷では吐き出され度さえ思った。小川温泉の元湯のある所は、谷間とはいいながら、海岸から三里足らずの距離であるにも拘らず、附近に残雪が見られたのは、如何に積雪量の多いかを語っている生きた証拠だ。涼しい声の河鹿やひぐらしは盛に鳴き立てるが、木蔭のない河原の砂や小石は日に焼けて、其上に張った天幕の中は、寝苦しい程蒸し熱かった。

小川の谷から越道峠を踰え、小さい谷に沿うた道を下って、北又に達した。峠の頂上からは残雪美しい清水、猫又の連嶺が東南に望まれる。北又の水量は思ったよりも多かった。これから流に沿うて恵振谷の落口まで遡らなければならない。徒渉二十余回、一時間を要する。中にも一枚岩の河床が雨樋のように抉れて、一丈近い飛瀑を奔下させている上を徒渉した時には、皆危く足を浚われる所であった。

魚止瀑に近づくと谷は一曲して左に折れ、絶壁の間に長い瀞をなし、四、五十間にして又右に曲り、それから奥は如何なっているか知ることが出来ない、唯だ何処ともなく轟という地響のような音が聞えるばかりである。