Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
きたむらとうこくのみじかきいっしょう
北村透谷の短き一生
島崎 藤村
Lisez 北村透谷の短き一生 (きたむらとうこくのみじかきいっしょう) de 島崎 藤村 (しまざきとうそん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 8 267 caractères · 17 écrans
それに阿母さんという人が、女でも煙草屋の店に坐って、頑張っていようという人だから、北村君の苛々した所は、阿母さんには喜ばれなかった。暫く病んでいた後で、北村君が自殺を企てた当時の心境は、私は『春』の中でいくらか辿って見た。それを家の人に見付かって、病院へ送られて、兎に角傷は癒った。細君も心配して、も一度芝公園の家を借りて、それには友達ながらも種々心配して呉た人があって、其処で養生した。丁度彼れ是れ半年近くも、あの公園の家で暮したろうか。もう余程違った頭脳の具合だったから、なるべく人にも会わなかったし、細君も亦客なぞ断るという風であった。二度目に其処へ移ってからは、もう殆んど筆を執るような人ではなかった。巌本君が心配して、押川方義氏を連れて、一度公園の家を訪ねて、宗教事業にでも携わったらどうか、という話をしたという事を聞いたが、後で私が訪ねて行くと、「巌本君達が来て、宗教の話をして呉れたが、どうしても僕には信じるという心が起らないからね」と、そんな風に話した事もあった。北村君もそんな風になった以上は仕方が無いし、吾々は吾々で、又更に新しく進んで見ようという心持になって、文学界の連中は各自思い思いに歩き始めた時であった。