Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

きたむらとうこくのみじかきいっしょう

北村透谷の短き一生

島崎 藤村

Lisez 北村透谷の短き一生 (きたむらとうこくのみじかきいっしょう) de 島崎 藤村 (しまざきとうそん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 8 267 caractères · 17 écrans

Aozora Bunko

たまに訪ねて行くと、奥の方の小さい、薄暗いような部屋に這入っていて、「滅多に人にも会わないのだが、君等だから会うのだ」と云って、突いて癒った咽喉の傷などを、出して見せた。「何しろどうもこの傷の跡があるんだからね」なぞと云って、頻りにその傷の跡を気にしていた。戸川君と一緒に訪ねた時には、何でもエマルソンの本が出来た時で、細君が民友社から届いた本を持って来て、私に見せたが、北村君はその本を手に取って見たという位で、中を開けて見る気も無いという風であった。細君はもう夜中も、夫の様子に注意するという風になって、非常に気を付けて看護をしたのであったが、丁度五月十六日の晩の月夜に、自分の病室を脱け出して、家の周囲にある樹に細引を掛けて、それに縊れて二十七歳で死んだ。その素質に於いては稀に見る詩人であり、思想家であった、北村君の惜む可き一生は斯うして終った。

北村君は明治元年に小田原で生れた人だ。阿父さんは小田原の士族であった。まだ小さな時分に、両親は北村君を祖父母の手に託して置いて、東京に出た。北村君は十一の年までは小田原にいて、非常に厳格な祖父の教育の下に、成長した。