Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

じゅうばんざっき

十番雑記

岡本 綺堂

Lisez 十番雑記 (じゅうばんざっき) de 岡本 綺堂 (おかもときどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 7 745 caractères · 16 écrans

Aozora Bunko

午前八時頃に十番の通りへ出てみると、末広座の前にはアーチを作っている。劇場の内にも大勢の職人が忙がしそうに働いている。震災以来、破損のままで捨て置かれたのであるが、来年の一月からは明治座と改称して松竹合名社の手で開場し、左団次一座が出演することになったので、俄に修繕工事に取りかかったのである。今までは繁華の町のまん中に、死んだ物のように寂寞として横わっていた建物が、急に生き返って動き出したかとも見えて、あたりが明るくなったように活気を生じた。焚火の烟が威勢よく舞いあがっている前に、ゆうべは夜明しであったと笑いながら話している職人もある。立ち停まって珍らしそうにそれを眺めている人たちもある。

足場をかけてある座の正面には、正月二日開場の口上看板がもう揚がっている。二部興行で、昼の部は『忠信の道行』、『躄の仇討』、『鳥辺山心中』、夜の部は『信長記』、『浪花の春雨』、『双面』という番組も大きく貼り出してある。左団次一座が麻布の劇場に出勤するのは今度が始めである上に、震災以後東京で興行するのもこれが始めであるから、その前景気は甚だ盛で、麻布十番の繁昌にまた一層の光彩を添えた観がある。