Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ちよじのおどろき
千代次の驚き
豊島 与志雄
Lisez 千代次の驚き (ちよじのおどろき) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 9 413 caractères · 19 écrans
お父さん、御免なさい。あたし、死ぬつもりなんかちっともありませんでした。ただ、びっくりしたんです。ほんとに、心の底まで、びっくりしました。
村尾さんが、まさか……。今になっても、まだ、腑におちません。随分前からのお馴染で、気質もよく分ってるつもりでしたのに……。少し変だと思ったのは、つい近頃のことで、それも、実は、あたしの方が変だったのかも知れません。お前さんこの頃どうかしてるね、とねえさんに云われたことがありました。あたしただ笑ってたけれど、自分でも、どうかしてるような気がしていました。でも、お父さんの教えは、ちっとも忘れたことはありません。芸者をしてる以上は、男に惚れてはいけない、たとえ旦那にも、岡惚と名のつく人にも、惚れてはいけない、とそうお父さんは、くれぐれも仰言ったでしょう。おかしなお父さんだと、はじめは思いましたが、だんだんたつうちに、真実のことを云って下さったんだと、分ってきました。こう云っちゃなんだけれど、お父さん、むかしは随分道楽なすったんでしょう。だから、お父さんの仰言ることは、通り一遍の理屈じゃなく、もとでのかかった、すっかり入れあげた、底まで見とおした、真実のことだと、あたしほんとうに感心しました。